日本船舶海洋工学会 関西支部 保存 K シ ニ ア
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造船設計資料・用具の調査と保存グループの発足


 「造船設計資料・用具の調査と保存」グループが発足しました (2007. 09. 24)。

  名称 :  「造船設計資料・用具の調査と保存」グループ
  略称 :  保存グループ
  目的 :  造船の設計・建造にかかわる資料・用具の収集・保存と調査・研究および
        日本船舶工学会関西支部に設置される同名の収集・保存推進委員会への実務支援

  代  表 :  藤村 洋
  世話役 :  南波壮八
  メンバー :  岡本 洋、 城野隆史、 川崎邦夫、 杉山和雄、 泉江三、 木村文興
                                                      以上総計8名


                              趣意書

 我国における造船設計分野で用いられてきた方法や用具などは欧米を見習ってスタートした明治時代以来、様々な進歩変遷を遂げてきた。 特に戦後は周辺技術の進歩に従って急速に変化し、コンピュータの導入によりひとつのピークに達した。

 これらの変遷の状況を記録に残し、かつ用具・原図などについては実物を保存することは技術史、文化史的観点から有益ではないかと思われる。 また、ある意味ではその変遷を身をもって経験してきた者の義務でもあると思われる。
 すでに遅いかもしれないが、用具などが散逸、滅失してしまう前に、また経験した当事者が居る間に、この作業を行う必要があるのではないかと考える。

 この種の歴史資産保存の活動は、設計分野に限らず工作分野なども含めた造船企業活動、技術活動全般に亘って行われるべきものである。 また、一部の事物については個別企業のPRの一環として収集され一般向けに展示されている。 しかしながら、造船技術全般について客観的かつ学問的な保存活動は行われていない。

 このような活動は学会の活動の一部であり、関西支部において、新たに設置される同名の収集・保存委員会でこの活動が開始されようとしているところであるが、本グループはKシニアの学会支援活動の一環として、学会関西支部の上記の委員会活動を実質面から支えようとするものである。


                          (当面の作業の内容)

 学会委員会の意向に従い、当面の対象を造船設計の用具などに限定し、具体的な作業内容は次のように考えている。 

 高度に技術的な方法、たとえば「抵抗・推進・所要馬力の推定」などは、それぞれの技術分野の年度報告などで残されているので対象外とし、下記のような埋もれているようなものを当面の主対象とする。
(コンピュータ利用については、とりあえずは対象外とする)

      曲線の描き方、 面積の算定法や道具
      バッテン、 同押さえウエイト、 鉛入りバッテン、 雲形定規など
      プラニメータ、 インテグレータ、 インテグラフ、
      計算尺、 計算機などの計算道具 (必要に応じ関連メーカーの協力を仰ぐ)
      計算尺 (長短各種、 円盤型、 円筒型)、 タイガー計算機、 カシオリレー計算機
      製図の用紙や描画具、 コピーの取り方
      各種原紙 (トレーシングペーパー、 クロース、 ケント紙)、 烏口など
      湿式リコピー、 乾式、 各種第二原紙
      通信連絡の方法
      試運転船と造船所、 ネゴチームと本国
      仕様書や完成図書の姿、 分量
      試運転の速力、 旋回圏などの測定方法、 馬力の計測方法など


 保存場所 : 関西地区の適当な公的博物館が望ましいが、学会委員会の決定にしたがう。