日本船舶海洋工学会 関西支部 海友フォーラム K シ ニ ア
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「北前船のルーツと盛衰」
  2012.04.26 第16回海友フォーラム懇談会で配布
岡本 洋

    要 点

1)北前船のルーツは、
  小松(石川県小松市)にあった。 一昨年、子供歌舞伎を観に行って、関心を持っていた所、新たに発見。
  1639 年(寛永16)加賀藩3 代藩主前田利常が藩米を西回りで大阪へ海路輸送したのが最初。
  続いて幕命により河村瑞賢が西回り航路を開拓して発展。

2)発達
  秀吉の全国統一による列島横断的年貢米の流通。 東回り、西回り航路整備。 大消費地江戸。 コメ取引の中心大阪。
  菱垣廻船・樽廻船。 貨幣経済へ(運賃積船)。 松前藩の成立と蝦夷開発。 産米不能で交易立国政策不可避へ。
  近江商人の活躍。 各藩との利害関係・殖産、財政と抜け荷黙認 ― 協力関係と暗部。
  豪商の成立、幕府・各藩と対立。

3)衰退
  「藩、幕府の都合による理不尽な取りつぶし」 ― 銭屋五兵衛の繁栄と没落(牢死)。
  高田屋嘉兵衛の活躍後の闕所(のちに無罪)。  「明治新政府による産業革命、洋式船舶、鉄道との競争」。
  「没落」 ― 多くの廻船問屋・船主が没落、破産(北風家、銭屋、その他)。
  「転身」 ― 汽船会社、北海道転身開拓、農牧業、北洋漁業、缶詰工業、銀行、倉庫業、etc

4)北前船のビジネス形態
  江戸中期から明治30 年代まで、大阪と北海道(初期は蝦夷地)とを、日本海・下関周りで結んだ帆船で、積荷の形態は
  「船主、船頭が買い付けた貨物を運ぶ買積船」。 荷主が運賃を決めて運ぶ賃積船と異なる。


     「北前船のルーツと盛衰」 (pdf 1.1MB、 8ページ)
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