日本船舶海洋工学会 関西支部 海友フォーラム K シ ニ ア
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海友フォーラム 第21回懇談会 報告

文責 城野隆史、大山正俊

1. 日時 : 2013年7月26(金) 14:00~18:45
   会場 : 川重 パトリシア会館

2. 参加者 : 18名  (敬称略) 
        井澤雄幸、 大山正俊、 岡 正志、 岡本 洋、 小野靖彦、 小林幹弘、 城野隆史、
        菅野正彦、 谷田光弥、 津垣昌一郎、 外山 嵩、 長野健、 野澤和男、 塙友雄、
        福地幹雄、 藤村 洋、 増本 敞、  矢木常之
        

3. 事務連絡事項

    会員異動 : 下川栄一さん、2013年6月5日ご逝去

4. 講演
  1. チロル紀行 城野隆史
    夫婦でオーストリア、イタリアにまたがるチロル地方を25日間旅行した紀行の紹介である。 まるで
   そこに行ったような気にさせる美しい山々や草原、街並みの写真にも魅せられるが、なんといっても
   一番の驚きは、この旅行が一般のツアーではなく、全て自分で企画し、自分で交通手段や宿の手配
   をし、現地での不測の事態に対処している手造り旅行である点にある。 旅慣れているとはいえ、
   中々真似できることではない。
    名所旧跡を巡る旅ではない。 訪れた地での風景、空気、ホテルの主人や旅行者との一期一会の
   触れ合い、そこに流れる時間をゆったりと楽しむ旅である。
    夫婦で海外旅行をすると良く喧嘩をする事になるらしいが、それとはまったく無縁で、脚に自信の
   ない主人を後ろから見守って一緒に旅している奥様の優しさが目に浮かぶような、ほのぼのとした
   夫婦の旅である。

  2. 「造船から鉄道車両製造へ」 岡 正志
     造船と鉄道車両製造の二つの分野にかかわった体験録である。 船舶その他の輸送機器と鉄道
    車両との違い-特に双方向性-の問題点も体験。 造船設計時代においても、車両設計時代に
    おいても常に、新しい課題を与えられ、挑戦し続けてきたその経歴やトピックスが紹介された。
     造船時代の主戦場は主に海外であった。 ところが、JR各社が君臨する業界に転出すると、慣行
    の違いにも戸惑うが、海外進出するとなると、軌道幅から安全に対する考え方まで輸出先当事国
    との文化の差にさらに苦労を重ねることになる。 そうしながらも、柔軟に対処してこられたのも、
    造船時代に鍛えた経験のたまものであろう。 造船業も昔は苦労したものだが、産業の国際化が
    進むほど、相手国を知り柔軟に対処する能力が求められることを、今更のように認識した。

5. MOLコンテナ船海難事故 
     講演後の懇親会では、MOLコンテナ船の海難事故の話が皆さんの関心を集めた。
     岡本氏をはじめとして、多くの方々から生々しい情報が掲示板に寄せられ、久々に掲示板も活気
    を呈した。 出席の皆さんからも船が真っ二つの折れた原因について色々な経験に基づく意見が
    出されたが、肝心の船舶が沈没したため、未だに真相は明らかでない。
     MOLは状況説明を開示しているが、NKは担当船級協会であるにも関わらず事故原因について
    は何等の見解も出しておらず、とりわけ全員無事に救出された乗組員からの証言が全く開示されて
    いないことは、何らかの情報操作が行われているのではないかとの不信感を 覚えるとの声も聞か
    れた。
     日本の造船所で建造され、日本の船主が実質的に保有し、日本の船級協会の検査を受けては
    いるが、乗組員が全て外国籍で、船舶の国籍も外国という所有形態で、今後この事件をどのように
    国土交通省や造船所、船級協会が解明し、現存船への対策や規則改正に反映させていけるのか、
    関係企業、官公庁の真価が問われているというのが 皆さんの認識であった。

6. その他
     Kシニア総会が海の日の前後の行われるため、海友フォーラムの懇談会の夏のセッションと重
    なること、炎天下の参集はつらいことなどを勘案して、夏セッションは中止。
     今後、原則として秋(10月)、冬(1月)、春(4月)の年3回開催とすることが申し合わされた。


7. 次回予定
    第22回懇談会 H25年10月中旬  題目:未定
                                                        以上