日本船舶海洋工学会 関西支部 海友フォーラム K シ ニ ア
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MOL COMFORT 事故について
NK大型コンテナ船安全検討会報告書を読んで
Matrix, No.87 (February 1, 2015)  神田修治

             MOL COMFORT 事故について (5ページ、 pdf 0.4MB)


 2013年6月大型コンテナ船MOL COMFORTがインド洋で荒天中折損後沈没した。  これについて国交省、日本海事協会(NK)を中心とした事故検討が行われ、2014年9月に報告 書が出された(1)。 この報告書を一読して私が理解したことや感想等を記す。

 私は造船技術者OB だが現役中主に潜水艦艤装設計をやったので水上船の船体構造強度に関しては門外漢であるが、 ひとりの造船技術者としてこの問題に関心を持ってきたので、雑駁ながら考察したものである。  なお事故船MOL COMFORTは2007年竣工の8000TEU大型コンテナ船MOL CREATION シリーズの一船で、新開発の47k高張力鋼を使用して船殻の軽量化と省エネ化を図った高度技術 のコンテナ船であり、紹介記事が発表されている(2)(7)。

           目次
 1.はじめに
 2.報告書の一読理解
   2.1 強度規則との適合性と事故発生の可能性
   2.2 縦曲げ最終強度に対する余裕度の他船との比較検討
 3.船体強度について
   3.1 縦曲げ強度、ハルガーダ(船体梁)強度
   3.2 座屈崩壊と最終強度について
   3.3 余裕度、安全率について
 4.報告書を読んだ感想
   4.1 最終強度について、日本のコンテナ船技術について
   4.2 余裕度、安全率について、造船技術者の自己評価と自負
 5.課題 報告書を読んだ後に思う疑問等
   5.1 品質管理 材料引当管理の問題
   5.2 乗員からの海象条件や破損状況等の情報
   5.3 運輸安全委員会
   5.4 地球温暖化と海象条件悪化について
 6.おわりに

         参考文献
 (1) 大型コンテナ船安全検討報告書 ClassNK 2014.9 pp33〜
 (2) ニッポン造船の技術力、コンテナ船 COMPASS 2007.11
 (3) K.J.Rawson, E.C.Tupper, BASIC SHIP THEORY, 5th ed. B&H 2001/1968
 (4) J.A.Faulkner, The Loss of HMS COBRA, A Reassessment RINA 1985
 (5) ここをもっと知りたいCSR最終強度 日本船舶海洋工学会関西支部講習会テキスト 2010
 (6 )藤久保昌彦他 船体構造 構造編、船舶海洋シリーズE 日本船舶海洋工学会、成山堂 2012
 (7) 末永一夫他 MOL CREATIONの紹介 咸臨18 pp51 2008.05
 (8) 西村敏和 運輸安全委員会の発足 MATRIX67 pp13〜 2009.12