文責 城野隆史
1. 日時 : 2011年10月25(火) 14:00~18:30
会場 : 川重 パトリシア会館
2. 参加者 : 19名 (敬称略)
津垣昌一郎、 藤村 洋、 矢木常之、 岡本 洋、 井上 清、 黒田啓之、 呉 清達、
菅野正彦、 増本 敞、 小林幹弘、 神田修治、 黒井昌明、 内藤 林、 濱田 淑、
山中直樹、 大山正俊、 宮本雅史、 谷田光彌、 城野隆史
3. 事務連絡事項
会員異動 : 桐本匤晢氏 2011.9.14逝去 大学教員 8名加入 会員総数 74名
新体制 : 会長交代 岡本 → 城野
顧問新設 岡本、藤村、小野、大塚(府立大学)、大山
4. 発表資料
題目 1 : 「南シナ海の風波」 増本 敞
中国が南シナ海に領海権を主張し実効支配を拡大するのに対し、ベトナム、フィリッピン等が
対抗している現状を詳しく説明。
中国の主張の根拠は、結局過去の自国文献に出てくることにあるようだが、それだけでよい
のか、隣接する諸国のように自国文献資料を持たないであろう國は、もしそれが通れば、
たとえ過去に実績があったとしても太刀打ちできない。 海洋法だけでは割り切れない現実が
ある。
実効支配しているという事実が尤も強い領土権の根拠のようであるが、岩礁の上に小屋を
建てて実効支配といえるのか。 理屈と武力のダブルスタンダードがまかり通る外交上の現実
を直視するよい機会になった。
日本の現実にも無関係でない事柄である。 考えと覚悟を固める必要がありそうだ.
題目 2 : 「大学教育の今昔」 内藤 林、 岡本 洋
大学進学率が50%を越える一方、大学予算は年々削減される。企業は、グローバル競争に
曝されますます有能な人材を求める。 一方大学が法人化したとはいえ予算削減と共に
文科省の締め付けは、強まる一方である。
内藤さんの大学の実情についての話と、岡本さんの調査データの解説に、議論が沸騰した。
造船に限らず、社会の巨大システムの設計・生産・運転・保守にかかわるのはエンジニアー
である。 エンジニアーが活躍できていれば、今回の原発事故も避けられたであろうと言われ
るように、社会の多くの面でエンジニアーは貢献している。 専門性の強い研究者のみが工学
の対象ではない。 エンジニアーは幅広い能力を必要とし、この点から観て、造船学科は幅広
い学問体系を有し、造船業のみならず社会全般に貢献しているので、評価されてしかるべき
である。 この点を社会に訴える必要があろう。
大学の教育目標と産業界の期待とのずれも指摘されている。 大学は、「専門分野の知識の
習得」を第1に産業界は「論理的思考力や問題解決能力」をあげている。
これらの目標と期待は、尤もと言えるけれども、知識偏向教育と経営者の頼りなさを示して
いるとも読める。 要は「当事者意識の強い」人物を育てることであるが、これは大学教育
以前の初等・中等教育のあり方、保護者・社会の考え方が強く影響するので、大学だけに
問題解決を求めることには無理があるが、重要な問題ではある。
以上のような困難な状況下にある大学に対し、我々シニアがどのような支援が出来るかは、
大きな課題である。 現役の先生方の要望や、わずかなことでも具体的に実行することで、
貢献の道を見いだすことが求められる。
以上
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