文責 城野隆史
1. 日時 : 2014年1月15(水) 14:00~18:30
会場 : 川重 パトリシア会館
2. 参加者 : 23名 (敬称略)
井澤雄幸、 大山正俊、 岡 正志、 岡本 洋、 小野靖彦、 川崎邦夫、 川端喜世和、
高坂 明、 小林幹弘、 島本幸次郎、 城野隆史、 津垣昌一郎、 外山 嵩、 中西 寛、
長野 健、 並河俊一郎、 塙 友雄、 藤村 洋、 増本 敞、 水谷直樹、 矢木常之、
山中幸一、 山中直樹
3. 事務連絡事項
会員異動 : なし
4. 講演
1. 「美しい国スリランカとコロンボドックヤードの紹介」 ・・・ 山中幸一さん
争乱の治まったスリランカを一回りし、風景や人々の様子をスナップ写真で紹介。
要所要所簡単な解説がポイントをえていて大変おもしろかった。 スリランカは、ついこの前まで
内戦の激しい危険な国で、インド続きの貧しい国という先入観があったが、写真に写っている人
たちの穏やかな顔つきや身なりといい、子供たちの明るさといい、とてもいい国のような印象を
持った。 きれいな英語を話し、インドとは全然違うそうだ。 また同時に紹介のあったコロンボ・
ドックヤードは民営化に際し尾道造船が51%出資した民間企業で、同氏が社長として育てた会社
である。 単に修繕だけを手がけるだけでなく多様な新造船を建造する優秀な造船所に成長して
いる姿が印象的であった。 インドやルーマニアの専門教育を受けた技従者は大変優秀だそうで
ある。 海友フォーラムでツアーにでも出かけたい国だ。
2. 「上流設計・開発のお国事情」 ・・・ 水谷直樹さん
NAPA Japanの代表を務める水谷さんに世界の多くの造船所で利用されている上流設計システム
のベンダーの視点から、上流設計のシステムや設計プロセスの変遷についての紹介、また設計者
が競争力のある設計・開発にどのように取り組んでいるのか日・中・韓・(欧)のお国事情に触れ、
日本の進むべき道についての語っていただいた。 設計の現状を知ることができておもしろく、刺激
的で大変好評であった。
設計の初期構想を練るための支援ソフトで、線図作成、3次元構造モデル、強度計算、重量計算
等のdesign spiralをまわす道具である。 日本、韓国、中国の造船所で広く採用されている。 Big
data処理技術を用いて、船舶の航行実績を衛星dataから解析する運行モニタリング技術も実用化
が進行中であるという。 それにしても、電算機容量の巨大化に伴い私たちが現役の時代には空想
物語に過ぎなかったような計算ができるようになった現実に目を覚まされた。 この技術が広く採用
された背景には、安全規則の高度化、構造ルールの精密化、技術者不足などがある。
技術が高度化し精密化するほど現場に密着した総体的な考察力と構想力が求められる。 その様
な人材の育成がますます重要になることを痛感させられた。
5. 次回予定
第24回懇談会 2014年4月中旬
題目 : 「船舶海洋工学の新しい発展を」 海洋政策研究財団(OPRF)ニューズレター321号に
掲載された内藤さんの提案と内在する課題に関連する講演
以上
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