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野本先生が愛艇「春一番Ⅱ」を使って全国津々浦々を周回し収集された資料に基き作成されていた論考を中心に紹介したもので、テーマは大別して、明治から昭和にかけての内航帆船の変遷と、大阪市が復元建造した「浪華丸」保存問題になる。
前者には、内航帆船、合いの子船、機帆船の特徴と変遷が語られ、後者は実物大で復元された菱垣廻船の建造と保存問題であった。 いずれも議論は多岐にわたり、限られた時間内に容易に集約出来るものではなかった。 野本先生の収集された原資料は阪大に残っており、さらに解析されることを待っている。 協力者は歓迎する。
浪華丸保存問題も保存目的、すなわち保存のための思想を形成する必要があると感じられた。 「港町づくり協議会大阪」が、浪華丸の1/3模型(全長10m)を自分たちで完成させ、街の活性化の一環として山車のように引っ張る行事を推進している。 理屈を並べるよりも、この方が近道かもしれない。
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