船のカタチ(23)  MAERSK-ODENSEのコンテナ船
             LAURA MARSK級、MARCHEN MAERSK級、
             REGINA MAERSK級、AXEL MAERSK級、EMMA MAERSK級
     2011-11 神田 修治


MAERSK LINEは現在世界一のコンテナ船社ですが、コンテナ船を本格的にはじめたのはむしろおそく1970年代後半でした。 しかしいったんはじめると果敢で、現在では隻数、大型化ともに世界のトップを行っています。
上図はMAERSK社が系列のODENSE造船所で作ったコンテナ船の系譜で、上からL級(11隻)、M級(12隻)、R級(25隻)、A級(13隻)、E級(8隻)です。 隻数もスゴイが、大型化の有様が歴然とわかります。

R級はポストパナマックス、本船において船のカタチは確立し、以後A級までバリエーションを経て大型化しているが、それは船体中央平行部を延長することでなされていると思われ、幅と深さは各船とも同じです。 E級は新設計の超大型船、長さ400m、幅56mで世界最大のコンテナ船です。 E級第一船EMMA MAERSKが就航した時は話題になり、私も調査や作文をしました(1)(2)。 そしてE級はハウスが前寄り、に近くなっているが、これは将来の中央平行部延長による大型化における前方見通しに備えたものではないかという論を出しました(2)。

これらはMAERSK社とODENSE社の協同で開発されたが、そもそもODENSE社は1917年MAERSK社の創始者A.P.MOLLER氏が自社のためによい船を、と子会社として創設した造船所でありました。 以後、上図の船も含めMAERSK社の社運に関わるような船はODENSE社で建造されたといえます。 ところが2009年ODENSE造船所は閉鎖を発表しました。 私は、このMAERSK-ODENSEの流れはどうなるかと、残念な気がします。

上図の作成に当たり、公表されたGA(一般配置図)がなくて苦労しました。 RINA(英国造船学会)は毎年Significant ShipsというGA入りの年鑑を発行していますが、1996年版のR級の記事にはGAの提供依頼が拒否されたという言訳があり、また2006年版のE級では外形図のみが掲載されました。 上図は、得られる情報や、多数の写真を比較検討して作図したのですが、おおむね間違っていないと思っています。

  (1) 神田修治、 MAERSKの新超大型コンテナ船、船キチの想像、MATRIX54(2006)
  (2) 神田修治、 MAERSK-ODENSE大型コンテナ船の進化 MATRIX56(2007)


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