日本船舶海洋工学会 関西支部 海友フォーラム K シ ニ ア
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船舶海洋技術者からみた技術士制度について

OFFICE MKS (技術士・海事代理士事務所)  小林幹弘

   海友フォーラム 懇談会(20/10/17) レジメ   (平成20年9月23日作成  平成20年10月15日修正)

1 はじめに〜技術士―科学技術系人材との関係
    ―技術士とは―    ―技術士法の改正―    ―学会と技術士〜JABEE分野

2 技術士―船舶海洋技術者との関係
    ―技術士登録者・技術士会員・受験者の関係―
    ―部会の活動〜船舶・海洋/航空宇宙部会について―

3 技術士になるには〜JABEE
    ―技術士資格取得までの仕組み―    ―JABEEと技術士制度―    ―APECエンジニア―

4 JABEEとは
    ―Japan Accreditation Board for Engineering Education― 
   1) 技術者教育認定制度とは
   2) 認定制度における技術分野
   3) JABEE傘下の学協会と賛助会員企業
   4) 認定制度の現状と展望〜JABEE文献より

5 むすび〜船舶海洋技術者とJABEE・技術士
     〜能力開発センター   〜技術士会との連携   〜高等教育における造船技術者の育成
     〜船舶海洋技術者の今後の展開   〜船舶海洋業界における「技術士」 
                                                            以上




   船舶海洋技術者からみた技術士制度について  (H20/10/17)

1.はじめに〜技術士
 a)技術士(Professional Engineer,Japan)とは
  ・昭和58年4月27日制定の法律〜技術士法〜により定めたもの
  ・文部科学省が所管する優れた技術者育成のための資格制度
 b)技術士法の改正
  ・国際化〜アメリカのPE(Professional Engineer) イギリスのCeng(Chartered Engineer)と同等化を
   目指す
  ・技術者倫理を義務付け  Consulting Engineer ―> Professional Engineer へ
  ・国際的に通用する資格制度(Global equivalenceの確立) のための生涯システム化
   〜科学技術系人材の量的構成 ― 添付資料 1
    +日本 240万人の技術者(国勢調査) 73万人の科学者  40万人の工学研究者
          5万人の技術士 〜 60,849人 登録技術士
    +外国 米国〜41万人  英国〜万人  仏国〜32万人  独国〜80万人
          豪州〜3.5万人  韓国〜2万人
    +APEC(Asia Pacific Economical Cooperation) エンジニア登録制度への対応
 c)学会と技術士〜JABEE分野
  ・技術分野と技術部門の相関関係
   〜要約(船舶海洋関連を中心として)― 添付資料 2
   〜技術部門の変遷 ― 平成2年時点 ― 添付資料 3
   〜海外資格比較 ― 同上 ― 添付資料 4

2.技術士〜船舶海洋技術者との関係
  ・技術士登録者数、 技術士会員、 19年受験者数  合格者数 (全/船)
    (72000/184)   (16448/37)   (1次=27628/21  14849/18)
                          (2次=23512/14   3790/2)
  ・部会の活動 〜省略〜  船舶海洋・航空宇宙と合同 ほとんど航空宇宙の話題

3.技術士になるには〜JABEE(Japan Accreditation Board for Engineering Education)
  ・技術士資格取得までの仕組みと位置付け
   〜技術士資格取得までの仕組み ― 添付資料 5
   〜旧制度と現行制度 ― 添付資料 6
  ・JABEEと技術士制度
   +JABEE−技術者教育の国際化と同等性のために設立
   +技術士第1次試験合格者と同等
   +アメリカのABET(Accreditation Board Engineering and Technolpgy)―1932 参考に設立
                           - P1 -
4.JABEEとは
 1) 技術者教育認定制度
    大学などの高等教育機関で実施されている技術者教育プログラムが、社会の要求水準を
   満たしているかどうかを外部機関が公平に評価し、要求水準を満たしている教育プログラムを
   認定する専門認定(Professional Accreditation)制度
    日本技術者教育認定機構(JABEE:Japan Accreditation Board for Engineering Education/
   設立1999年11月19日) は、技術系学協会と密接に連携しながら技術者教育プログラムの審査・
   認定を行う非政府団体。
  @)認定の目的
    高等教育機関で行われている教育活動の品質が満足すべきレベルにあること また、その教育
   成果が技術者として活動するために必要な最低限の知識や能力 (Minimum Requirement) の養成に
   成功していることを認定する。
    JABEE の活動は教育機関に一定のカリキュラムや達成度を押し付けたり、教育機関の教育レベル
   を調べて順位付けし公表したりするものでない。 むしろ文部省の大学設置基準の大綱化に従い、
   各大学の個性を伸ばすことを目的としている。 各教育機関に独自の教育理念と教育目標の公開を
   要請し、新しい教育プログラムや教育手法の開発を促進し、日本や世界で必要とされる多様な能力
   を持つ技術者の育成を支援するもの。
  A)制度に求めるもの
   (1) 大学や教育プログラムは、社会のニーズに一致する使命と目的を明示する
   (2) 教育プログラムは、使命と目的に沿う具体的な教育目標を定義し、教育活動の成果がこれらの
     教育目標と日本技術者教育認定制度が求める教育成果を如何に満たしているかを明示する
   (3) 教育プログラムを下記に関して継続的に改善する仕組みを持つ
    a) 学生や就職先企業など顧客層のニーズを取り入れる方法
    b) 教育活動を観察して教育成果を測定し分析する方法(Assessment)
    c) 教育プログラムが教育目標を達成しているか否かを判断する(Evaluation)
    d) 効果的な自己点検・教育改善システム(組織と活動)
   (4) 入学学生の質、教員、設備、大学のサポート、財源などの諸問題を教育プログラムの目標と結び
     つけて十分検討してあること
   B) 他の機関評価とJABEEの認定評価の相違
      JABEE が実施する審査は、教育プログラムの評価であり、評価対象は4年間の教育プログラム
     が達成する教育成果(Educational Outcomes) である。
      JABEE は大学の提示する教育目標がJABEEの要求する教育成果を含み、国際的なMinimum
     Requirement を満たす内容であることをチェックする また 自己点検書や訪問調査から、教育
     成果が教育プログラムの提示する教育目標を必要な水準で満足していることを確認する。
      機関認定と異なり教育活動に持ち込まれる資源(カリキュラム、教員、設備)や用いる教育手法
     は 大学に任されており、革新的な教育手法やカリキュラムが生まれる環境を準備している。
      JABEEのもう一つの観点は、教育目標の達成を維持し教育手法を改善するため、継続的な
     教育改善活動が実施されており、その仕組みが十分に機能しているかどうかという点にある。
      自己点検・評価活動が常に実施されており、その結果が教育プロセスの改善に反映されなけれ
     ばならない。
      J ABEE による技術者教育プログラムの認定審査は 次の観点でなされる 
                           - P2 -
     ―JABEE による認定業務の焦点
      (a) 教育活動の成果(Educational Outcomes)
        ―教育機関が掲げる独自の目標が達成されていること
      (b) 教育活動の有効性(Educational Effectiveness)
        ―教育プロセスの有効性
        ―教育手法の有効性
      (c) 教育活動の品質(Educational Quality)
        ―厳密な成績評価
        ―個々の学生に対するケア
        ―効果的な点検・評価・改善システム
        ―効果的なFaculty Development システム  など
   C)教育プログラムの審査項目
    @ 学習・教育目標(基準1および分野別要件で要求される知識・能力)
    A 学習・教育の量(1800 時間の総学習保証時間)
    B 教育手段
     ―入学選抜方法(目的・目標を達成するために必要な資質を持った学生を入学させる方法、
       編入生の既修得単位に対する互換性評価)
     ―教育方法(学習・教育目標との対応、科目の位置づけ、教育方法、成績の評価方法)
     ―教育組織(目標を達成するために必要教員数、教員の質的向上を図る仕組み、教員の
       教育活動に関する評価方法、教員のコラボレーションネットワーク組織)
    C 教育環境(施設・設備、財源、勉学への支援体制)
    D 学習・教育目標達成度の評価と証明(目標達成度の評価基準とそれに基づく評価、総合的な
      達成度評価、厳密な成績評価)
    E 教育改善(自己点検システム、教育手法や教育環境の改善活動)

 2) 認定制度における技術分野
   1. 化学および化学関連分野       ――――― 化学分野JABEE委員会      
   2. 機械および機械関連分野       ――――― 日本機械学会
   3. 電気・電子・情報通信およびその関連分野   ― 電気学会、電子情報通信学会
   4. 土木および土木関連分野       ――――― 土木学会
   5. 建築学および建築学関連分野    ――――― 日本建築学会
   6. 材料および材料関連分野      ―――――― 日本鉄鋼協会
   7. 地球・資源およびその関連分野   ―――――― 資源素材学会
   8. 物理・応用物理関連分野       ―――――― 応用物理学会
   9. 工学(融合複合・新領域)関連分野 ―――――― 日本工学教育協会
  10.情報および情報関連分野        ―――――  情報処理学会、電子情報通信学会
  11.経営工学関連分野            ―――――  経営工学関連学会協議会
  12.農学一般関連分野            ―――――  農学会
  13.農業工学関連分野            ―――――  農業農村工学会
  14.森林および森林関連分野        ―――――  森林・自然環境技術者協議会
  15.環境工学およびその関連分野     ―――――  化学分野JABEE委員会,土木学会
  16.生物工学および生物工学関連分野 ―――――  日本生物工学会
                           - P3 -
 3) JABEE 傘下の学協会と賛助会員
  @ 学協会
     JABEE加入の学協会は現時点82学協会
     船舶海洋技術者の関連学会は  11 機械学会 59 船舶海洋工学会  82 溶接学会 など
     旧舶用機関学会 現マリンエンジニアリング学会は入会していない
  A 賛助会員〜関連企業として 36社
     1 JFEスティール  8 株式会社IHI  18 新日本製鉄株式会社  34 三菱重工業株式会社

 4) 認定制度の現状と展望〜要点
  @ 技術者教育とは
     数理科学、エンジニアリング・サイエンス、情報技術などの知識・手法を駆使し、社会や自然に
    対する影響を予見しながら、人類の生存・福祉・安全に必要なシステムを研究・開発・製造・運用・
    保全する専門職即ち技術業等のための高等基礎教育
  A 認定とは
   ・教育プログラムを公表すること
   ・修了者が社会(世界)に必要な教育を受けていることを公表
     [教育プログラム] = カリキュラム、教育方法、教育設備・環境、教員、評価の全て
     [質の保証] = 設定した目標を達成したもののみ卒業させ、継続向上を約束
     [適切な学習目標] = 学問的水準、社会の期待、学生の希望、雇用者の要求など
  B 現状
     2001年度に3プログラムを認定したのを初めとし 2002, 2003年度にそれぞれ 32, 67プログラムが
     認定された。 2007年度までに認定されたプログラムは以下の通り
  
       分野                          2006年度まで 2007年度  計
     1 化学 東農大 化学システム工学科[2001]等       41     4     45
     2 機械 岡山大 機械工学プログラム[2002]等       60     3     63
     3 材料 金沢工大 材料系[2002]等               9     −      9
     4 資源 東京都立大 地理学科[2003]等           10     −     10
     5 情報 群馬大 計算機科学コース[2002]等        28     1     29
     6 電気 熊本大 電気システム工学科[2002]等      37     1     38
     7 土木 高知工専 建設工学[2002]等            45     3     48
     8 農工 愛媛大 農業土木プログラム[2002]等       18     −     18
     9 工学 工学院大 国際工学プログラム[2001]等     37     2     39
    10 建築 千葉大 建築系プログラム[2003]等         17     3     20
    11 物理 東邦大 物理エンジニアコース[2004]ほか      2     1      3
    12 経営 早稲田大 社会開発システム工学[2003]他     4     −      4
    13 農学 長崎大 水産学プログラム[2003]他          7     −      7
    14 森林 宇都宮大 森林科学科[2004]他            4     −      4
    15 環境 立命館大 環境システム工学科[2003]他      5     −      5
    16 生物 崇城大 応用微生物工学科[2004]他         4     1      5 
                                     合計 328    19    347
                           - P4 -
  C 問題点
   1) 画一化を助長し個性化への妨げとなる懸念がある
       ・分野別用件が画一化を招き個性化や教育改革の妨げとなるおそれ
   2) 有名大学の認定プログラムが少ない
       ・危機意識、認識差
       ・現状に対する自負       
   3) 産業界の認知度が低い
       ・知らない企業が多いし、必要度がない
       ・大学院認定がない
   4) 大学院認定がない
       ・レベルが低下している
   5) 認定効果への疑念
       ・学生に認定のメリットが説明できない
       ・就職の利点になってない〜修了生の評価に時間がいる
   6) デザイン教育への懸念
       ・十分評価されているかどうか
   7) 最低基準が明確でない
       ・審査員の任意性に任されるので統一的水準を設ける
       ・「めきき」を増やす努力
   8)達成の評価方法が明確でない
       ・達成者が修了者であることを示すのは教育側であるが判定があいまい
   9)受審時間がかかりすぎる
       ・証拠の準備など
  10)プログラム名が国際的に通用しにくい
       ・工学部なのに「・・・科学」という名称がある

5.むすび〜船舶海洋技術者とJABEE・技術士
   ・能力開発センター <− 技術者支援委員会
     3学会統合直前に検討開始 学会統合を受けて発足
   ・技術士会との連携〜
     分野別として登録されているが技術士会活動は低調
     機械関連分野と位置付けられているが・・・
     〜分野別要件―機械及び機械関連分野― ― 添付資料 7
   ・大学教育における造船技術者の育成
     JABEE認定コースと船舶海洋分野の技術士の位置づけ
     〜JABEE分野と技術士部門 ― 添付資料 8
   ・船舶海洋技術者の今後の展開
     学会の活動を技術士会の船舶海洋部会(今は航空宇宙と合同)と連携し機械関連分野としての
     位置付けを明確にしていく(独自の分野にはできないだろうから・・・)
   ・船舶海洋業界における「技術士」の必要性
     これがないと高等教育において船舶海洋関連コースの必然がなくなり造船技術者の枯渇に
     つながらないか?
                           - P5 -



   平成20年10月17日 海友フォーラム会合での発表概要   (平成20年10月24日)

T 参照資料
   a) レジメ
   b) 説明資料 - P1- 〜 - P5 -
   c) 添付資料 - P1- と - P5 - の 添付資料から リンク

U 説明要旨
   1.はじめに〜技術士とは
    −a) 技術士とは昭和58年制定の技術士法により定められた資格
       添付資料 1 に示す日本における各分野の科学技術系人材の核として位置付けを確立し
      アメリカのPEやイギリスのCengの同等化となる国際化を目指して同法を改正
    −b) APECエンジニアの登録制度に対応するために改正
       添付資料 4 には海外資格との関連が伺われる。
       〜この資料で船海技術者として注目すべきは海外の認知されている資格として 英国のCeng
      (Chartered Engineer) に (Naval Architect) があるが 当面の国際資格対象となる
      Apec Engineer には該当するものはないこと〜
    −c) 添付資料  に示すように船舶は古くから一つの分野を形成
       添付資料 2 に 学会 技術士会 JABEE の関係を総括
       日本工学会―JABEE正会員―JABEE分野―技術士分野―同部会 の関係における
      船舶・海洋部門・船海海洋学会の位置づけを認識して下さい
      学協会などの後ろの [ ]または ( ) 内の数字は会員数を示す
      この観点から言えば船舶海洋は微々たる数字と言えよう 〜Minority group〜
   2.船舶関連は 船舶・海洋として展開のあと技術士会の分野としては航空・宇宙と合併して活動中
     +技術士会内の船舶・海洋部会は日本船舶海洋工学会とは連携なしの会合として運営されて
       おり今は航空・宇宙部会と合同で開催されている。
     +19年度時点の登録者・会員数・受験者・合格者は以下の通り
         技術士登録者数 延べ 73922 実人数 61794  内 船舶海洋 184
         技術士会会員数              16448  内 船舶海洋  27
       19年度1次受験者数             27628  内 船舶海洋  21
                         同 合格者数 14849  内 船舶海洋  18
                      同 2次受験者数 23512  内 船舶海洋  14
                      同  同 合格者数 3790  内 船舶海洋  2
                     (注:2次受験・合格者には総合技術監理を含む)
     +技術士の有資格者=登録者自体少ない上技術士会会員としての登録者は少ないし 船舶・
       海洋は更に微数である
     +技術士会の部門としての船舶・海洋部門は航空・宇宙と合同で部会活動をしている関東を中心
       とする船舶海洋と航空宇宙の合同会合と中部の航空宇宙の会合があるが航空宇宙の方が主
   3.技術士になるには〜JABEEとの関係
     +添付資料5にあるように技術士資格を国際的な資格とするための仕組みを改変
     +添付資料6は旧制度との比較を示している。
       * 実務経験7年により1次試験なしの優遇をやめ
       * 大学課程修了者全て1次試験経由のシステムを認定課程修了者に1次試験免除の
          コースを設定
       * この認定コースを審査するのがJABEEである
          JABEE=Japan Accreditation Board for Engineering Education の略称 
                〜 日本名―日本技術者教育認定機構
       * JABEE は 添付資料2の要約通り正会員としての学協会によって支えられる
       * 船舶海洋は技術士部門としては1部門を形成しているがJABEE分野としては機械分野の
          一つに加えられている 〜 航空宇宙も同じ
   4.JABEEとは
       * JABEEのホームページ(http://www.jabee.org./)を参照して頂きたいが 概要は
          説明資料 -P2- 〜 -P5- に示した
       * 認定分野は添付資料2示すが各分野と基幹学会との関係は -P3- に総括した
       * 認定は申請のある高等教育機関〜大学及び工専〜の学科・コース教育制度を審査する
       * 平成13年[2001年] より始まり平成19年[2007年] までに -P4- にまとめた如く
          347学科・コースが認定されている
       * 課題・問題点あるが要点を - P5 - に示した 
          ・有名大学・コースの認定プログラムが少ない
          ・産業界の認知度が低い
          ・大学院〜修士の認定がない
          ・国際的に通用しにくいプログラム名(国際化を目指しながら・・・)  など
   5.むすび〜船舶海洋技術者とJABEE・技術士
       * 船舶海洋工学会としての取組みは学会のホームページに記載あり
          また技術士会のホームページには船舶海洋・航空宇宙合同部会の記載がある
       * 小生自身は船舶海洋工学会の会員として活動〜現在終身会員
          一方 平成12年より技術士会会員〜船舶海洋部会に所属
          平成15年機械及び機械関連部門の審査員の受講し平成15年オブザーバー
          平成16年、17年審査員として審査に参加。 平成20年(今年)再度審査員。
          その頃に船舶海洋工学会もJABEE及び新技術士資格制度に絡んで現在の
          能力支援センターの前進の技術者支援委員会なるものの立上げがあり初期の活動に
          若干参画した。 3学会合併とともにどう動き現在に至ったかは小生としては不明
       * 技術士なるものは船舶海洋技術者にとって何の恩恵もない。 国際化の中でも特に
          影響はない。
       * 過去においても技術士を取得しかつ技術士会会員は希少である
       * そんな状況の中で学会と技術士会との連携は皆無なのは問題
       * 船舶海洋業界における技術士の必要性が皆無である以上JABEEとの関わりも希薄に
          なって当然。
       * 船舶海洋分野の審査申請がこれからあるみたいだがその育成・効果はどうか

 〜質疑応答
 
   Q JABEEの認定は技術士資格取得の必須条件なのか?
   A そうではない。新取得システムの中で1次試験免除となるための認定された教育課程を
     認めるための機構。認定のための要件を決めている。
     システム化されてしっかりフォローされるので一定のレベルは確保・約束される
     審査員は所定の教育と実践を経て委嘱される。全てボランティア〜無報酬
   Q 認定の効果はあるのか?
   A 技術士の効果は技術分野で相違ある。効果覿面とまでは言いがたいが効果がある分野も
     あるようである。 学校によってはJABEE認定を一つの宣伝としてとらえているところもあり
     教育システムとして機能して成果を上げているところもある。 また 学生にとっても励みに
     なるようである。 就職その他で成果あればもっと期待度が上がるだろう。
   Q どんな大学・学科・コースが認定をうけているのか?
   A 認定を受けると官報に記載されるがJABEEのホームページに過去の認定コースが全て公表
     されている。
   Q 認定を受けていない学校・コースは受けているところより劣るということか?
   A そう言う意味ではないが、認定されたことで効果のあるところもある。
     問題点の一つに有名大学・学科の認定がないことがある。
     有名大学の有名学科が他のJABEE認定学校・学科より優れているとは言いがたいこととか
     JABEEの認定がなくてもわが学校・学科は優れているという自負や世間の評価が歴然と
     あることは今後の問題。 そう言う学校・学科こそ模範的なシステムを構築し運用することを
     内外に示す方向であるべきと私見では思う。 今後増えてくるだろう。

     船舶海洋の分野に限って言えば、認定プログラムに直接かっての造船科に対応するプログラム・
     コースはまだないようである。
     関連としては 横浜国大の 海洋空間のシステムデザインコース?????? があるが
     船舶海洋を目指したものはない。 ?????年に大阪大学が船舶海洋を目指したコースを設定しよう
     としているとのことである。

 〜私見補足〜

 船舶海洋工学に関わる教育システムを大学に根付かせる努力は学校のみならず産業界や学会がいろんな意味でサポートしなければ 後継者として優秀な人材の育成は難しい。
 数少ない船舶海洋技術者が船舶海洋工学会と技術士会とが並立しているのも問題である。
 
 個人としてJABEEの意味を説明する船舶海洋分野のPRすることに手を技術士会で登録して必要に応じ説明に出掛けるべく資料を入手しているが 該当学科・コースがないのが実態である。
                                                            以上