日本船舶海洋工学会 関西支部 海友フォーラム K シ ニ ア
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“MUNIN” 及び ”ReVolt”プロゼクトの現状と
自動運航開発研究の事例について
  2015.04.20  MTS監事  岡本 洋

   “MUNIN”及び”ReVolt”プロゼクトの現状と自動運航開発研究の事例について (13ページ、 pdf 1.0MB)


 本稿では、まず
  @ EU(欧州連合)に於ける補助金により開発研究が続行されている「MUNINプロゼクト」と
  A 同じく欧州ドイツ・ノルウエイに本拠を置く船級協会DNV-GL船級協会が研究続行中の「ReVoltプロゼクト」の
概要について紹介する。

 @では同一コンセプトによりロールスロイスが開発を進めているドローン船(無人船)にも触れる。 更に、B陸上の自動運転車の開発についてもとりあげる。

 これら、特に@、Aは共に「無人船の運航」をめざすもので、共に現在の海運界が抱えている効率運航、環境汚染削減、船員減少と作業環境改善対策、安全向上・事故削減などを課題として取り組むものである。 共に将来あるべき姿を見据えてのテーマではあるが、その実現に当たっては、課題も多い。 無人船に限ればやや関心が薄いとか、自動運転に対する視点が異なる我が海運界ではあるが、参考になる点も多い。

 一方、軍事では無人攻撃機は色々のマイナス要素を抱えながらも現代戦の必須要件となっているし、陸上に於いても米議会は陸上車両の1/3の無人を要求している状態である。 之とは指向する理由もレベルも異なるが、同じように商用自動車の世界でも自動運転への流れは同じで、Googleなどが先行するのを受けて、世界の主要自動車メーカーも数年内の発売を目指してしのぎを削っている。 国交省に於いても「高速道路上の自動運転、オートパイロットシステム」に関する検討がすすめられている。 これらについて現状を紹介し我々の問題点について考える。


             目次

    1. はじめに

    2. MUNIN プロゼクト
      2.1. NUNINプロゼクトの来歴
      2.2. NUNINプロゼクトの発足
      2.3 EU との関係など
      2.4. MUNIN プロゼクトの内容
      2.5. MUNIN システムの概念図
      2.6. プロゼクト・システムの機能
      2.7. プロゼクトの効果

    3. DNV-GL船級協会の「ReVoltプロゼクト」
      3.1. 来歴
      3.2. ReVoltプロゼクト概要
      3.3. 設計条件と船型の決定
      3.4. 検討項目――主要項目の要点のみ記す。

    4. 車の自動運転、無人車
      4.1. 初めに
      4.2. 世界の自動化運転研究状況―特許と論文
      4.3. 軍用車両
      4.4. DARPA(主催) グランド・チャレンジ (ロボットカーレース)
      4.5. 商用車の開発研究と海事