日本船舶海洋工学会 関西支部 海友フォーラム K シ ニ ア
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海友フォーラム 第27回懇談会 報告

文責 城野隆史

1. 日時 : 2015年10月29(金) 14:00~18:30
   会場 : 川重 海友館新館

2. 参加者 : 28名   (順不同、敬称略) 
         井沢雄幸、 一色 浩、 石津康二、 太田紀一、 大山正俊、 岡本 洋、 小野靖彦、
         河合敏雄、 小寺元雄、 小林幹弘、 島本幸次郎、 修理英幸、 城野隆史、 杉本 健、
         杉山和雄、 津垣昌一郎、 富田愼一、 外山 嵩、 長野 健、野澤和男、 濱田 淑、
         藤村 洋、 増本 彰、 増本 敞、 宮田光明、 矢木常之、 山田考三郎、 山中幸一

3. 講演


  1) 「海難史談」 ・・・ 石津康二 さん
 45pagesの自家出版の小冊子が配布された。 近代において発生した20件の有名な海難事故を文献調査して集大成したものである。
 何しろ量が多いので、要点だけを話していただいたが、海難事故というものは人類の遺産といってもよいと思う。 事故は、少なからずその後に操船上の教訓なり構造設備性能の改善をもたらすものだからである。 事故は千差万別、多種多様、これを散逸させず一瞥できるようにした石津さんの努力をたたえたい。

  2) 「Seowl号事件」 ・・・ 岡本 洋 さん
 Seowl号事件の調査報告があった。 断片的な情報が伝えられる中、Dataとなりうる資料が網羅されていて、岡本さんの調査力に舌を巻く。
 結論的には、過貨載によるstability不足の状態で航行中、転舵したため船の遠心力で転覆したというのが技術的結論であろう。 しかし、どの程度のstability不足であったのか、なぜ転舵しなければならなかったのか、正規のコースを通らなかったのではないかなど不明な点は多い。
 いろいろ憶測はできるが、このような船の改造、運航、それを許認可する役所を含めてシステム全体が機能していなかったこと、沈没する船から真っ先に下船した船長の無責任さ等々、韓国の統治機構の在り方が問われている事件で、日本側からとやかく言うべき問題でもなく、正常化することを期待しつつ成り行きを見守るしかないように感じた。

  追記 : 次回は来年1月中旬を予定、講演者は未定なるも近々お知らせします。

                                                        以上