日本船舶海洋工学会 関西支部 海友フォーラム K シ ニ ア
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<旅の留意点>

1. 目的地
 世界中、ゆきたいところは無限にある。 どこにゆくかは、人それぞれ。そのときの気分である。TVで世界の人気spot百選のような番組を観たことがあるが、なにもそれにとらわれることはないように思う。
 若いころ、トルストイの住んだヤースナヤポリャーナに言ってみたいと思ったし、広瀬中佐のようにボルガ川の船旅をしたいと思ったものだ。 だけど、それも青春の一時期の思いで終わった。

 山岳部の友人は、ヒマラヤ・トレッキングに毎年のように出掛ける。 こんなところに出掛けると他のところは目でなくなるであろうことは、よく分かる。 私も行きたい思いはあり、機会をうかがっていたが、膝を悪くして、諦めざるを得なくなった。

 私の友人中にはメキシコに通い詰めている者がいる。だから、どこに行くかは、人それぞれだが、一旦、あるところへ行くと、そこを起点に行き先が広がりを見せるのが普通ではなかろうか。 世界名所百選の地を順に見て回るような気持ちはサラサラない。


2. 準備
 だいたい半年前から調査に取りかかり、3ヶ月前にflightを決定、それからホテルの予約を始める。 1-2ヶ月前にはほぼ準備完了。 家を空ける間の段取りや、ふいの予定変更に対応するためにも、一旦早めに目途をつけておいた方がよい。 100%確定したときに、ホテルに念のためにre-confirmationを入れておく。

 準備にばかりかかわっているわけにも行かないので、なるべく早めに着手し、図書館を利用して関連資料をみたり、パンフレットを集めたり、netを渉猟するなど、余裕を持って気長にアイディア固めをすることが要点である。
 知らない國にポンと行ったとき、このようにいつの間にか蓄積したな交通や地理に関する周辺知識があることは、気持ちに余裕を与えるし、応用動作がとりやすく役立つ。

 大都市の市中を歩くとき、ウロウロするのが目的でなければ、行きたいところを決めて、手順よく廻らないと、しんどい。 勿論興味のある人は、事前に勉強しておくに越したことはないが、私はやったことはない。 たいてい帰ってからである。


3. Flight
 退職してからは、正規の格安エコノミーしか利用したことがない。 ビジネスとの価格差は大きく、差額で、ゆうに滞在費が出るのである。 もっと安い格安航空券もあるようだが、そちらの方の事情はよく知らない。

 私は、脚に静脈瘤があり、狭い座席に押し込められて座ったままの姿勢は、鬱血して耐え難い。 そのため何時も非常口の横の座席で前のスペースがひろく、荷物を置いてその上に脚を伸ばせる座席をとる。 そのため、それが可能な航空会社に絞られる。

 Full fareの航空券のように、同一運賃であちこち行けないから、旅行の移動範囲は絞られ、到着地点を中心にバス、鉄道の旅をして、またそこから帰国の途につくコースになる。 乗り継いで先へ行く場合、日本から一連の航空券とするより、現地航空会社の航空券を別に購入した方が安い場合が多いように思う。 ただ、競争の激しさや、搭乗日・時間によって、航空会社毎に様々であるので、比較・調査が必要であるが、net時代、面倒がらなければ、調べることはできる。


4. 荷物・似姿
 言うまでもないことだが、荷物をどれだけ軽くできるかが、旅の成果にかかわる。 山岳部にいたおかげで、荷物を減らすことの重要さをたたき込まれたが、女性はそうはいかない。 どうしても増える。 中には結局使わずに持ち帰ったものもある。

 だんだん要領がよくなって荷物も減った。無理やり詰め込んだ荷物を解いたりまとめたりするのは結構な手間仕事になる。 整理して袋分けされていると荷物の出し入れが簡単で、宿を移動するときの気分的、時間的負担が大違いである。 ボロを着ていって、帰りに捨てる手もある。 ナシで済ませられないか、何かで代用できないか、現地で購入できないかと考える。 ひょっとして必要かもというものは、たいてい使わない。 その代わり、老齢化すると薬が増えるが、こればかりは、やむを得ない。

 2001年、スイスに行ったときまでは、スーツケース一つに、各人がルックサックを担ぐスタイルであった。 ところが、ある駅のプラットホームが市電のそれのように低く、大きな車体に重いスーツケースを地面から持ち上げるのに四苦八苦した。寄る年波に勝てないことを思い知らされた。

 その後は、小振りのコロ付キャリアー(うち一つは機内持ち込み可能サイズで、私の足置きになる)とリュックを各人が持つようになった。 荷物が容易に運べるということは、大変重要なことである。 体力増強に努めなければならない。


5. 衣服
 着るものは、できるだけ粗末なものがよい。女性は特に服装にこだわるが、TPOによる。 外国人もパーティーなどでは、豪華な衣装をしている方にお目にかかることもあるが、そのままの姿で街頭を歩くわけではない。
 靴を含めて、できるだけ粗末で丈夫なのがよい。 財布やハンドバッグも同様。 人前で財布を曝せばひったくりにチャンスを与えるようなもの。 日本人的、お嬢さん感覚を引きずらないこと。


6. 洗濯
 洗濯は、こまめに各人で行う。 バスタブがあれば入浴時に残り湯ですすぎまで行い、絞ってからタオルの間にサンドイッチにして、それをしばらく踏みつける。 それらを満艦飾のように部屋の中に干す。 そのための紐と針金ハンガーが必需品。

 シャワーしかない場合は、携帯用布バケツが有用。 山の道具屋に売っている。洗濯石けんは、小分けした日本製がいい。 現地のものは、何でも大ぶりである。そういえば、歯ブラシも大変大ぶりであった。


7. ホテル
 原則的に中心地の便利なところは高いし、国際的に名の通ったホテル・チェーンは敬遠する。 立派なロビー、ショッピング・アーケードなどには用はない。 ヨーロッパでは、荷物を持てば二人と乗れないような狭いエレベーターの3流旅館でも泊まるには十分である。

 浴槽の湯の出が悪くなったり、トラブルがないとは限らないが、それも旅のうちと気を大きく、苦にすることなく不都合はfrontにねじ込む気力は必要であるが。 キッチン付のアパートメントも逗留が長いときには、便利である。 ただ、いいホテルに泊まると気分がゆったりすることには間違いない。

 ホテルを予約するとき、大きなところは直接Home-pageから申し込めるが、小さなところは、ホテル手配会社に委託しているところもある。 そこに直接申し込んだつもりでも、どこかの旅行社でハンドルされることがある。 それでも問題はないが、必ず申込書込み書のコピーを持参すること。

 ホーチミン市のホテルをAsianRoomというサイトが安くofferしていたので、そこ経由で申し込んだら、料金だけ引き落とされて、ホテル側は知らぬ存ぜぬで結果的に2重取りされてしまった。 ホテルは、いい部屋を安く提供したので、まる損ではなかったが、申込書のコピーを持参するのを忘れたのが致命傷になった。 AsiaRoomが怪しいと睨んでいる。 一旦金額を引き落としてしまえば、その後は連絡つかないようにmailをシャットしている。


8. 鉄道
 國によって、色々なパスがある。 また料金もまちまち。 シニアー割引のあるところやないところなど、各国事情が違う。 満員で座れないことはなかったが、reservationを要求されているところでは、指定券を買っておくに越したことはない。 これらのことはみんなnet上で調べられる。

 また、普通座席で十分だが、長時間乗車する場合など1st Classで少しばかりの贅沢感を味わうのもよいだろう。 運賃の高いイギリスでは1stに乗車した経験は、仕事以外にはないが、ポルトガル、ハンガリー、スロヴァキアなどは、鉄道料金が安いので、長距離には利用した。

 切符を買うには、紙に書いて示すのが確実で、てっとり早いが、イギリス、フランスなどのターミナル駅の長距離列車の切符の売り場は、長蛇の列をなしていることが多い。 長距離は前もって手配しておいた方が安全である。

 モンパルナスの駅で1時間近く待たされた。 それも一人の東洋の若者が窓口を占有しているのである。 それに係員もまともに対応していやな顔もせず、あれこれしゃべっている。 このような場面には、各所で経験した。

 ロンドン近郊では自動券売機を使った。 それがまた、銀行で振り込みするときのような面倒さがある。 何やかやと聞いてくるのである。 日本の近郊電車の券売機のようには行かない。 当のイギリス人らしき若者も使うのに緊張している。 その券売機にも長蛇の列ができているのが普通で、日本人が上手くやるだろうかと、後ろからのぞき込まれるが、それをよいことに手助けをして貰う。

 鉄道でもバスでも、なれないと乗り場(番線)が分からない。 特に終点まで行くならいいが、途中までの時は、どこ行きに乗るべきか行き先だけをみても判断のつかないことがある。 とにかく時間に余裕をみておくことが必要である。 日本と同じようにはゆかぬ。

 日本では一本の経路である限り、どんなに回り道しても通しの切符は作ってくれる。 ところが、ハンガリーで、試してみたが全く通じない。 Net上では、タイムテーブルと共に料金まで出てくるのだが、窓口で同じルートを示しても、一応、コンピュターをたたくものの、難しい顔をしてだめだという。 多分、単純操作ではゆかない画面がでるのだろう。やむを得ず、毎回乗る度に購入した。


9. バス、市電、地下鉄、タクシー
 公共交通全てに通用するパスが便利である。 乗り降り自由だから乗り間違えても、おりて乗り換えればよい。 そのためには、路線図を到着時に手に入れる必要がある。

 チェコでは、郊外に出掛けての帰り、バス停には、時間表が一杯貼ってあるのだが、それらしい時間になってもバスは、来ない。 そのうちに来たけれど、時間表が古いのか、あってなきがごときものであった。 個人旅行では、この種の無駄な待ち時間は避けられない。 長距離バスも安くて便利である。 ただ、中欧では、バスターミナルに待合所も、切符売り場もないところもある。

 タクシーは、原則的に使わない。 乗って安心できるところは高いし、少し遅れた國では、タクシーにふきかけられないことはない。 ただ、ポルトガルだけは、値段も安く、ふっかけられることもなく安心して乗れた。 日本でも、最近でこそサービスがよくなったが、乗せてやると言わんばかりの時代は、ついこの間のことのようであるから、よその國の悪口ばかりは言えない。 先ず乗る前に、料金を確認することである。 交渉に応じずに、とにかく載せようとする輩には、要注意。


10. お金
 前の旅で使い残した現金だけを持参し、日本で現金を買って行くことはない。 rateが悪い。 私は、Credit CardでATMから出金する。 中欧の國でも、最近はあらゆる國で利用できる。 年利は高いが、1-2ヶ月以内に清算されるので実際の支払い時には、2%前後の利子で済む。 大手邦銀のcash cardでも手数料200円/回で出金できるが、元々のrateがcredit cardよりも3%ほど悪いので、トータルで高くつく。

 念のためT/Cも持って行く。 ただし、店によっては、T/Cでの支払いを断られることがある。 なれていなくて信用されていないのであろう。 T/C作成に費用がかかるが、Amexなら各所にサービス・ステーションがあり手数料なしで、換金してくれるので、換金コストはそんなに高くない。 ところが、これを地方銀行に持ち込むとめっぽうな手数料を取られる上、時間がこれまたべらぼうにかかることが多い。

 ブダペストの両替所で、commission zeroとあったので換金したら、rateそのものが約3割も悪かったのには、驚いた。 店に表示してあるレート表をよく見ないと、とんだ目に遭うからご用心。 ほとんどの國でカードは使えるが、安ホテルでは、Cashでの支払いを求めるところがあるので、事前確認しておいた方がよい。 Cashingは、複数手段用意しておいた方が安心である。


11. 食事
有 り難いことに、私たち夫婦は、日本食がないと耐えられないということはない。 私は、日本のフワフハのパンより、西洋の堅いパンの方が好きだ。 スーパーや八百屋で、適当なものを買いそろえ、部屋で喰うことが多い。

 昼も、その残りをサンドイッチとし、魔法瓶に熱湯を貰って、それでコーヒーや紅茶をいれる。 旅の半分は、これである。 レストランに入る場合、量が多いときは、二人でshareしたり、メインディッシュをとらずに前菜を二皿とったりすることもある。 事前にwaiterに説明すれば対応してくれる。 Waiterは単なる皿の運び屋ではなくて、食事の演出家であり共演者であると理解しないといけない。

 昔レストランで、自分でグラスにwineを注いだら、Waiterがとんできて、すまなさそうな様子を見せたので、悪いことをしたと思ったことがある。
 向こうの人たちは、Wine一本を挟んで、長々と会話を楽しむ。 残念ながら、家内は酒を飲まないし、そそくさと喰うばかりで、その点全く風情がない。


12. ガイドブック・地図
 これまでにも述べたように、私の何時も利用するのは、「Lonely Planet」と「地球の歩き方」である。その理由は;
   @良心的な格安ホテルが記載されていること 
   Aある場所への移動方法が詳しい 
   BURLが充実している、の3点である。

 一般のガイドブックは、高級ホテルしかなく、そこへの行き方が詳しくない。 誰かに連れて行って貰うことをベースにしている。
 ただし、これら2書とて、間違いがないわけではないので、鵜呑みにしてはいけない。 年々の変更をfollow仕切れていないのではないだろうか。

 どこを歩くにしても、パリやロンドンの地下鉄路線図同様、地図は、必需品である。 スイスやコツオルズを歩くときは、そこに着く前に本格的な地図を購入した。 Lonely Planetでは、そのあたりも紹介されている。 ただ、地図を見れば何でも分かるわけではない。 地図上での長さと、実際の距離感との相関、表示と実物の対応など、地図の特徴をつかむことが大事である。 特に、観光案内所やホテルで入手する地図にはデフォルメされたものもあるので、地図の目的をわきまえて読み取る勘も必要。

 それとガイド・ブックの地図が怪しいことがある。特に「地球・・・」の方は、見やすくするためだろうか、不要と勝手に決めた部分が省かれていて、現地に行って、とまどうことがある。 道路地図のように色つきで、きれいなのはいいが、現地の道路に色がついているわけではないのだ。

 Lonely Planetで表示されてるホテルの位置が違っていて、迷ったことがある。 Google earth を利用したことはまだないが、ホテルの位置検索に使えるかもしれない。
 

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