<まえおき>
現役時代の海外出張は、何回経験しても、常に緊張の連続で気の休まることはなかった。 出掛ける飛行機の中でも、準備不足の資料を補って、相手にも自分にも納得できるような結末が得られるようにと思いを巡らし、一夜漬けに専念。 と同時に時差ぼけに備えて、できるだけ気を落ち着けて睡眠をとることに集中したいと焦る。 帰りの飛行機の中では、出張報告の作成で忙しい。帰国すれば、次の仕事が待っている。
是が非でも拘束のない自由な旅がしたいと願うのは、誰しも同じではないかと思う。 慌ただしく通り過ぎた街や、車窓から観る土地を更に奥深く踏み込みたいと。
私は、幼少のころからずっと今でも、たとえば車窓から眺める何でもない川の土手道を見つけては、どこまでもさかのぼってみたいと思い、遙かに見える山の頂きを見ては、登頂してみたいと思い、都会の密集した家並みをみれば、街角の居酒屋にもぐり込んでいっぱいやりたいような気持ちになる。
海外旅行も、そんな気持ちの延長線にある。お仕着せの旅では、いらだちが募るだけだろうことは目に見えている。 だから自ずとプライベートの旅は手作りとなる。 行き先はどこでもいいようなものである。 ひたすら異国の空気の中に身を浸したいと願う。
山岳部時代、必ず行動記録をとることを習慣づけられた。 どこそこの峠や山頂、宿営地到着時間や、天候や、ルートの注意点などである。 おかげで、海外旅行でも、時間や出費は丁寧につけている。 しかしそれらは、自分自身のためのもので、読み物にはならない。 私の旅は、あくまでも個人的経験の範囲に留まっているうえ、珍しいところに行ったわけでもないので、語るに足るようには思えないが、少しでも参考になれば幸いである。
これまでの行き先は、ヨーロッパが中心である。地方の公共交通機関でだいたいのところは廻れるし、治安もそこそこである。 一旦行けば、ゆけばゆくほど次々行きたいところが現れて、なかなか、別の地区に気が回らない。 アメリカ・カナダは車がないと遍歴できそうにないので、敬遠しているし、ハワイ、バリ、フィジーなどのリゾート地に行ったことがない。 また、ヒマラヤ・トレッキング、アフリカ・サバンナ、中南米、ガラパゴス諸島、イースター島、等々行きたいところは考え出せばきりがない。 体力・財力に限りある身なれば、旅の方法も、それらに見合ったものに変えてゆかねばなるまい。 次どこにしようかと、家内に問えば、「しんどいからもう少しエネルギーがたまるまで待って」といわれてしまう年頃になった。
<旅の記録>
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旅行先 |
期間 |
同行者 |
1. |
ヨーロッパ中心部 |
1991/04/27-05/11 : 15日間 |
妻 |
2. |
アンダルシア と オスロ、 ロンドン |
1999/11/04-11/26 : 23日間 |
妻 |
3. |
イギリス ・ ポーランド |
2001/05/22-06/15 : 25日間 |
妻と 妻の友人2名 |
4. |
スイス |
2002/09/03-09/26 : 23日間 |
妻 |
5. |
ポルトガル ・ ロンドン |
2006/06/07-07/03 : 27日間 |
妻と 妻の友人2名 |
6. |
ヴェトナム |
2006/09/20-09/28 : 9日間 |
妻 |
7. |
中欧 |
2008/05/28-06/25 : 29日間 |
妻と 妻の友人1 |
<旅の留意点>
1.目的地 2.準備 3.Flight 4.荷物・似姿 5.衣服 6.洗濯 7.ホテル 8.鉄道
9.バス、市電、地下鉄、タクシー 10.お金 11.食事 12.ガイドブック・地図
<Appendix 1> スペイン、オスロ、ロンドンの旅 (November 1999) 総括
<Appendix 2> 旅の八珍事
<Appendix 3> スイス旅行 (September 2002) 総括
<Appendix 4> 退職後の山歩き
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