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輸出鉄道車両四方山話 ・・・ 小野靖彦さん、 堺由輝さん |
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*造船屋として活躍された小野さん、堺さんが車両部門の関わられた輸出客車車両の商談や
技術問題の概要を紹介頂いた。
*船を一輪車として 自動二輪車 3輪車 4輪車 と車製品に続き 航空機を5輪車6輪車とし
車輪の数に合わせた製品を分類 その延長で客車車両の8輪車と続くという形のイントロに
始まったわかりやすい解説。
*事故例と原因解明の事例を解説。 なるほどと思い、車両への親しみが深まった。
*鉄道車両の設計要件は、発注主とその國の安全委員会の考え方で、ケ-スバイケースに決ま
り、船舶のような船級協会に相当するものがないことが、特徴である。
*アメリカのようにレール屋というジャンルがありレールをもっているところが発言権を持つことが
あるとのこと。
*安全性については「そのようなことはあり得ない」として対策をそこで打ち切るような考え方は、
欧米特にアメリカではとらない。 「もしそれが起こったらどうするか」という観点に立って、
二段・三段の安全対策が講じるところが特徴的である。
*実物による衝突実験とかカンチレバータイプの座席とかの開発に苦労された話など興味深い
ものの紹介。 一発勝負の実物実験を成功させ、構造解析結果とよい一致を得たことなど、
苦労が偲ばれた。 |
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4-2 |
エストニア号海難事件 ・・・ 城野隆史さん、 岡本 洋さん |
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*1994年9月27日バルト海にて発生したエストニア号の沈没事故:1000人に上る搭乗者のうち
の9割がなくなるという事故で 運航者-エストニア、 海域-フィンランド、 乗客の大部分
-スウェーデン、3国にまたがる事件。
事故直後これら3カ国による公式事故調査委員会結成され、3年後報告書が公開されたが、
内容が不透明であるとして、議論が尾を引いた。
一匹狼の造船屋、 建造国ドイツ、 RINAを中心とする学会で議論が紛糾。 ついにスウェー
デン政府は2006年にはSSPAとHSVAに再調査を依頼し、2008年に報告が出た。
それら一連の概要を報告。
*深夜の混乱の中から得た聞き取り調査からだけでは、原因究明には限度がある。 さらなる
沈船調査が必要だろう。 ただ、エストニア号のような設計の船の運航には、細心の維持・
管理が必要だと考えられるが、その点がずさんであったのではないかという疑念が強い。 |