日本船舶海洋工学会 関西支部 海友フォーラム K シ ニ ア
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海友フォーラム 第28回懇談会 報告

文責 城野隆史

1. 日時 : 2016年1月25(月) 14:00~18:30
   会場 : 川重 海友館新館

2. 参加者 : 29名   (順不同、敬称略) 
         井沢雄幸、 石津康二、 太田紀一、 岡本 洋、 荻野繁之、 小野靖彦、 河合敏雄、
         黒岩道昌、 繁田治男、 島原啓輔、 島本幸次郎、 城野隆史、 杉本 健、 津垣昌一郎、
         外山 嵩、 中島、 長野 健、 野澤和男、 長谷川雄康、 浜本剛実、 平田紘士、藤村 洋、
         増本 彰、 増本 敞、 村山健一郎、 矢木常之、 山中幸一、 山中直樹、 山野惟夫

3. 講演


  1) 「徳島の水軍」 ・・・ 島原啓輔 さん  (資料 : 徳島藩の水軍:10pages)
 支配者の力の弱い時代には、まず海賊が横行するが、次第に地方の支配者との間に結びつきができてくる。 その結果、水軍という支配者直属の水主(かこ)が生まれ、船の運航、戦闘だけでなくふねの建造・修理も手掛けるようになる。 徳島水軍は大坂冬の陣で活躍し家康に感状を頂戴し、江戸時代を通じて長らく活躍したが、明治維新のごたごたに巻き込まれ絶えてしまった。
 時間の制約から綿密な調査のごく表面だけを話していただくことしかできなかったが、水軍といえば村上水軍しか知らない素人には、とても興味を引く話で、歴史を見る視野が広がった。
 徳島水軍に周囲を支配されていた淡路島がなぜ兵庫県に属するのかという質問が出た。 
増本彰さんがいきさつを開陳してくれたが、門外漢にはぼんやりとしか分からなかったけれども、維新当時の混乱の中の事件で徳島藩御法度の結果取り上げられ、兵庫県に属することになったというような説明してくれた。 歴史通は多いものだと感心する。

  2) 日米機動部隊を回顧する ・・・ 小野靖彦 さん  (資料 : 日本空母、米国空母リスト;2pages)
 機動部隊というのは空母艦隊のことである。 戦前日本海軍、米国海軍の所有した航空母艦をすべて調べ上げ、その運命をミッドウェイ海戦以降の諸海戦を追って語る。 ものすごい調査量だとホトホト感心する。 世の中には多数の戦記物、回顧録などが出版されている。 しかし造船屋の立場からこれだけの包括的な調査をした資料は、ないのではないかとおもった。 空母の断面図も回覧された。 元計画屋にとっては、想像を加えながら眺めれば、時間を忘れさせるものであった。
 終戦時まだ小学生の私でも懐かしく思い出す艦名がある。 しかし戦後生まれの方々には、なじみがないかもしれない。 それだけに歴史的価値をもつ。 世界ではまだ空母艦隊は威力を発揮しているし、中国も新造すると伝えられていている時代である。

  追記 : 次回は4月上旬を予定、講演者は浜本剛実さん荻野繁之さんの予定。
        タイトル・概要など開催要領は3月上旬までに連絡します。


                                                        以上