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古代からの帆船船型の変遷の解説から始まって、おもな帆船海難事件をその当時の航海技術や時代背景と合わせての話で、大変興味深かった。 ローマ時代の地中海における主要航路図が分かったうえでパウロの遭難の位置を知ると、聖書を通じて知っているだけの知識が確実みを帯びる。
元寇に当たってはモンゴル軍の活躍した当時の大陸の背景や、草原を馬で走り回っていて季節風の知識もないモンゴル軍が、北風に向かって遁走するも果たせなかった様子や、馬を手放せないモンゴル兵の船は、馬を乗せるため乾舷が高かったとか、そもそも蒙古軍が日本を狙った目的はどこにあったのか、それは火薬の原料になる硫黄の獲得ではなかったか、など興味深い話に満ちたものであった。
そのほかスペイン無敵艦隊の壊滅の経緯などについても詳しい話が1時間20分に渡って話された。 用意された原稿の半分程度で時間切れとなってしまった。
いずれも事件については歴史的事実として知っていることではあるが、背景や実情、特に海戦という立場からの詳細は、ほとんど知らないか断片的知識しかない。 参加者からは次々質問や意見が出て、時間不足であった。
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