船のカタチ(52)  米海軍攻撃型原子力潜水艦 Attack Submarine SSN
               SKIPJACK cl.,  THRESHER cl.,  STURGEON cl.,  LOS ANGELES cl.,
               VIRGINIA cl., TULIBEE,  NARWHAL,  GP.LIPSCOMB,  SEAWOLF
                                                                   2014-04 神田 修治


米潜(攻撃型潜水艦SSN)はSKIPJACK<1959>から新しい発展期に入ったといえます。
THRESHERは実戦的な潜水艦。 騒音が最も小さい艦首にソナーを配置し、その後に発射管を配置。
STURGEONは、THRESHERの沈没事故をうけて、広範で大規模な安全対策が行われた。 37隻建造。
この間主機は同一型式で15,000PSだったので、排水量増大に伴い水中速力は29kn、28kn、25knへと低下。

ところが、ソ連潜が高速であることが判明、これに負けない潜水艦としてLOS ANGELES級が建造されました。
本艦は主機が新型35,000PS、32knの高速艦で、騒音低くソナー性能高く62隻の多数が建造されたが、後期の艦ではトマホークミサイルの垂直発射装置を装備し、潜舵はSail PlaneからBow Planeに変更されました。 海上では時化でも数十m潜れば静かで、水中行動が主の艦では波衝撃の心配少なくBow Planeでもよいのでしょう。

この間、TULIBEE、NARWHAL、GP.LIMPSCOMBの実験艦があり、これらは主機の形式変更によりさらなる騒音低減を目指したが実用には至らなかったようです。 SEAWOLFは冷戦末期に計画され、水中速力35kn(一説には39kn)の高性能艦だがコストも高くつくようで3隻の建造に止まり、以後VIRGINIA級に移行しました。

これらの潜水艦船体のカタチを見ると、SKIPJACKは涙滴型、船長Lと船体直径Dの比L/Dは7.9だが、その後の各艦は平行部のある葉巻型で、L/Dも次第に大となりTHRESHERの8.9からL.A.級、VIRGINIA級の11へと細長くなりました。 これについて米海軍ArentzenのSNAME論文中の説を意訳すると「潜水艦の全抵抗は浸水面積による摩擦抵抗と、形状による剰余抵抗の和であり、L/DとCp(柱形係数)に関係し、同一排水量について抵抗最少の条件はL/D=6.2、Cp=0.6であるが、流線形の潜水艦では剰余抵抗は極めて小さく、上記の最適条件からズレても抵抗増加はさほど大きくない」と述べています。(1) 

   (1)  E.S.Arentzen, Naval Architectural Aspects of Submarine Design, SNAME 1960


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