船のカタチ(51)  米海軍 USN の潜水艦、 1950年~60年
               TANG cl <1951->  BARRACUDA cl <1951->  ALBACORE <1953>
               BARBEL cl <1959->  NAUTILUS <1954>  SKIPJACK cl <1959->
                                         参考:独潜水艦 U-BOAT XXI
                                                                   2014-03 神田 修治


さきに、戦後日本の潜水艦は米潜水艦に学んだと記しました。 (船のカタチ-49)
そこで、米潜水艦(米潜)について調べて見ます。今回は1950~60年代の米潜です。
その米潜も実はこの時期、二次大戦中のドイツの潜水艦(独潜)に水中高速技術等を学んだのであります。(1)

接収した独潜XXI型を調査研究してGUPPY技術開発(2)をし、潜水艦TANG級を建造しました。
敵の潜水艦を探索し制圧する潜水艦(Submarine Killer -SSK)としてBARRACUDA級を建造しました。
水中航行の運動性能を格段に向上するため涙滴型の実験艦ALBACOREを建造し、BARBEL級で実用化。
原子力推進の実験艦NAUTILUSを建造した後、上記の集大成として涙滴型原子力潜水艦SKIPJACKを建造。
以上の成果を米海軍技術者Arentzen等は「ALBACORE技術とNAUTILUS技術を合体したSKIPJACKの完成により、米潜は独潜の影響から脱し、世界のリーダーの地位に就くこととなった」と誇らしく記述しています。(1)

海上自衛隊の潜水艦は米潜に学んだと記しましたが、カタチを見ても相互に似ています。
「おやしお」はTANGに似、「わかしお」はBARRACUDAに似、「うずしお」「もちしお」はBARBELに似ています。

これらの潜水艦は「潜水艦vs潜水艦」を任務とする攻撃型潜水艦という一族ファミリーです。
上図中の記号の意味は、SS:Submarine潜水艦、SSN:-Nuclear原子力潜水艦、AGSS:実験潜水艦。

SKIPJACKの潜舵(前部の水平舵)が艦橋に取り付けられている(Sail Plane)のも斬新なカタチです。
以前は主船体の前部にあって(Bow Plane)、水面や波にたたかれるので格納式であり、その格納機構部が弱点であったがSail Planeでは水面より高いので格納式ではなく頑丈で、カタチも飛行機の翼を連想させ、なかなかよいカタチだと思います。BARBELも竣工時はBow Planeであったが、改造してSail Planeになりました。

このように並べて見ると、SKIPJACKへ至るまでの開発の系譜が、カタチの上からもうかがえると思います。
また一方、独潜XXIのカタチも、水中航走体としてすぐれたカタチであると感心します。

   (1) E.S.Arentzen et al, Naval Architectural Aspects of Submarine Design, SNAME 1960
   (2) GUPPY:Greater Underwater Propulsive Power+y :水中推進性能向上技術開発


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