各位の主張 

1. 三宮一泰 [K-Senior.1565 ,1999/04/05] 2. 城野隆史 [K-Senior.1586 ,1999/04/17] 3. 三宮一泰 [K-Senior.1722 ,1999/06/28]
4. 大野道夫 [K-Senior.1747 ,1999/07/04] 5. 三宮一泰 [K-Senior.1758 ,1999/07/06] 6. 塙  友雄 [K-Senior.1776 ,1999/07/14]
7. 塙  友雄 [K-Senior.1854 ,1999/08/02] 8. 藤田  実 [K-Senior.1907 ,1999/08/19] 9. 三宮一泰 [K-Senior.1922 ,1999/08/22]

 近着の日本造船学会のTECHNO MARINE 837号を読みました。

 1994,09,28の事故以来大きな話題となり且つ造船海運関係者の間で国際的に原因究明対策の研究の活動があり 特にバルト海周辺諸国では社会的政治的な反響が巻き起こり その最終的と言う報告書についての池田良穂先生の報告が P.55-59にあります。

 MTS(海上交通システム研究会 )の中でも数回論題となり種種討議されてきました。 私は当初よりバウバイザーおよび最前端の水密ドアの問題だと唱えていたのですが IMO の呼びかけで日本造船技術界の焦点はカーフェリーの損傷時復原性の問題として池田先生を始めとして大きな精力を尽くして来られました。

 池田さんの今回の論説で 最終報告書が真の原因としているのはバウバイザー周辺部の予想外の波浪外力として当該部の強度、開閉指示システムの脆弱を上げていて フェリー設計の与える復原性問題は周辺諸国のエキセントリックな政治的な動きだったとして報告書の冷静な判断を評価されています。

 MTSの論議ではこの事故の周辺の事情を多方面から取り上げていて 例えば国際航海での法的規制の問題、多国籍乗員の訓練、救急信号の伝達の問題、等 今回の論文には詳述されていませんが多くの問題を孕んでいることを示唆していました。

 しかし私が尚も不思議だと感じているのは 何故バウバイザーを開放のまま出航するのが当然か、何故開放のバイバイザーに波浪を受けた状況で強度を保たねばならないのか 何故その辺に言及していないのかであります。

 完全閉鎖して信号を確認してからが通常の運行で バウバイザー部の開閉ヒンジが開閉動作の強度が不足して変形して完全閉鎖出来ず それを船長に報告出来ていないのは信号システムが不完全であったからなら その方が原因として対策することになる筈で その場合は異常波浪となど言及すべきでないと思います。

 報告書の全文を読んではいないので直ちに断定するわけにはいきませんが 局部強度設計、信号システムの不完全さ、船員の航海規定、に言及していないところに問題解明の生温さ、或いは政治性の陰を感じるし、又学者、官僚の造船海運に対する不理解さ迄言うのは不当でしょうか。

 諸氏のご意見を待っています。

 私は1989,05,20-29に 池田先生と同行して 北欧クルーズ・フェリー視察旅行で 本船と同型のVIKING LINE、SILJA LINE のフェリーに乗船してバルト海に遊びその豪華な船体とクルーズの様態に羨望を持った事もあり 瀬戸内海航路のバウバイザイー無しのカーフェリーを設計建造した経験があったので 前名Viking Sally号 の事故の結末にに注目していたのです。

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