各位の主張 

1. 三宮一泰 [K-Senior.1565 ,1999/04/05] 2. 城野隆史 [K-Senior.1586 ,1999/04/17] 3. 三宮一泰 [K-Senior.1722 ,1999/06/28]
4. 大野道夫 [K-Senior.1747 ,1999/07/04] 5. 三宮一泰 [K-Senior.1758 ,1999/07/06] 6. 塙  友雄 [K-Senior.1776 ,1999/07/14]
7. 塙  友雄 [K-Senior.1854 ,1999/08/02] 8. 藤田  実 [K-Senior.1907 ,1999/08/19] 9. 三宮一泰 [K-Senior.1922 ,1999/08/22]

 元 外ぎ設計マンとしてメールから推定しての私見です。

 ESTONIA事故に関連してバウバイザーのヒンジ部の強度不足が上げられていますが、 その前に設計思想を問うべきで、その設計思想がよかったのか?悪かったのか? を考えなければならないと思います。

 「バウバイザで水密にするのは無理があるからバウバイザはある程度波除にして水密は内側のランプで確保する」というのであれば想像外の波浪が来てヒンジが壊れてもワイワイ言うほどの事ではないと思います。 よく知りませんが、あの重いバウバイザの開閉が楽に出来ればそれはそれで目的を達しているのではないでしょうか。

 そうするとヒンジが壊れたらランプまで一緒にやられた所に問題があると思います。  ぎ装屋は習性として力のかかる物はつい船体の強固な所に持っていきたがります。  船の安全を考えた場合にそれは時によっては避けなければならない場合もあります。

 卑近な例ではチェンロッカーは大抵 コリジョンバルクヘッドの前にあります。アンカーチェンの根止め金物は黙っていればこのBHd.側につけたがりますが、引き千切られても大事なBHd.を痛めないようにBHd.側を避け、しかも早い目に引き千切られるように設計するのです。
 浚渫船のスパッドホルダーも同様で、 予想外の外力がかかってもスパッドホルダーは落しても船体は助けると言う思想で設計しました。

 もともと 横からの力をヒンジでもたせると言う考え方はおかしい。  どちらから来るか解らない波の力に対応するのにはお茶の缶の 蓋のように端が捲れあがらないように深々と船体にスッポリとかぶせるよりし方がないのではないでしょうか。  バウバイザが飛んでもよいという基本思想であればランプとの縁切りを十分考えるべきでしょう。  指摘すとすればこの点だと思います。

 次に バウバイザを飛ばさないという基本思想なら打つ手を思いつきませんね。 ハッチカバーのように周囲を600-1,000mmごとに綴じてもあれは上方からの打ち込みに対するものです。  バウバイザのようにいびつな形で全方向の力に対応せよといわれると船体歪とバウバイザの歪関連も難しいし、 恐らく作れても実用的でない形になるでしょうね。

 実は小生の現役時代から 「我々はバウバイザー方式は断固採用すべきではない」 との結論でした。

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